パイロジンについて
耐熱塗料パイロジンについて
耐熱塗料パイロジンは、主に鋼材等に耐熱性の高い塗膜を形成し金属表面の腐食を防ぐ優れた塗料です。 1957年の発売以来、各種機械、プラントメーカー等各方面に御愛用頂き、ユーザーの皆様から御好評を得て業界最高の実績と信頼を誇っております。
パイロジンの特徴
- 01.耐熱性が優れています。
- 02.密着力が良く長期間塗膜を維持します。
- 03.耐候性、耐紫外線性に優れ、チョーキングがほとんど起こりません。
- 04.退色が少なく、長期間被塗物の美観を維持します。
- 05.防錆力が優れています。特にLLタイプは長時間曝露に耐え輸出プラントに最適です。
- 06.作業性が優れています。
パイロジンの使用例(黒塗りの白地は内面を表します)
焼却施設における"パイロジン"使用例
焼却設備使用例
- ❶焼却炉内面:スタックACT#250A硬化剤付
- ②焼却炉外面:下塗XZ-180-3 上塗B#900シルバー
- ❸ろ過式集塵機内面:スタックACT#250A硬化剤付
- ❹煙道内面:スタックACT#250A硬化剤付
- ❺煙突内面:スタックACT#250A硬化剤付
- ❻溶融炉内面:スタックACT#250A硬化剤付
- ⑦溶融炉外面:下塗XZ-180-3 上塗B#900シルバー
- ❽水洗回収装置内面:インナー7(3~5液型)
発電(石油、ガス)設備における"パイロジン"使用例
発電設備使用例
- ①蒸気放散管:下塗 XZ-180-4 上塗 B#1000-22シルバー硬化剤付
- ②ボイラー室:下塗XZ-180-3 or XZ-180-7 上塗B#900シルバー or B#850カラー
- ❸交換機出口煙道内面:スタックACT#250A硬化剤付
- ❹電気集塵機煙道内面:スタックACT#250A硬化剤付
- ❺集合煙突筒身内面:スタックACT#250A硬化剤付
鉄鋼製造設備における"パイロジン"使用例
鉄鋼製造設備使用例
- ①焼結設備 (石灰炉):下塗XZ-180-4
上塗B#1000-22シルバー硬化剤付 - ❷焼結設備(集塵機)内面:スタックACT#250A硬化剤付
- ❸コークス炉(ろ過集塵機)内面:スタックACT#250A硬化剤付
- ④溶鉱炉:下塗XZ-180-4 上塗B#1000-22シルバー硬化剤付
- ⑤送風管:下塗XZ-180-4 上塗B#1000-22シルバー硬化剤付
- ❻熱風炉内面:スタックACT#250A硬化剤付
- ⑦熱風炉外面:下塗XZ-180-3 上塗B#900シルバー
- ⑧混銑車:下塗XZ-180-4 上塗B#1000-22シルバー硬化剤付
- ⑨転炉:下塗XZ-180-4 上塗B#1000-22シルバー硬化剤付
- ➉インナー7(3~5液型)
- ⑪焼鈍炉:下塗XZ-180-3 or B#500プライマー 上塗B#900シルバー or B#500シルバー
パイロジンの施工
施工01
塗装環境
下記の条件の時は塗膜の乾燥・成形に悪影響を及ぽすことがありますので、塗装は控えてください。
- ①降雨、降雪が予想される時。
- ②外気温が5 ℃以下の時、露点との差が3 ℃以内 。(結露が生じる場合)
- ③相対湿度85%以上。
- ④風の強い日。
素 材
素材には耐熱性があり、耐熱塗装はこの温度の範囲内での耐熱性・防錆力を発揮します。
- ●普通鋼板~約600℃
- ●ステンレス~約650℃
- ●電気亜鉛メッキ鋼板~約280℃
- ●アルミメッキ鋼板~約480℃
素地調整
耐熱塗装は熱歪みによる伸縮等に耐える為、素地調整の良否が塗膜性能を大きく左右します。 各仕様に準じて適正な素地調整を行ってください。※素地調整後は直ちに塗装を行ってください。
塗 料
耐熱塗料は重い顔料を使用している為、缶内で沈殿している場合がありますので、ハンドミキサー等で十分に撹拌を行い、 底面に沈殿がない事を確認後、ご使用ください。さげ缶に小分けする時は、その都度撹拌を行ってください。多液混合型は混合比の確認、可使時間、使用量を考慮の上、調合・撹拌してください。
塗装方法
耐熱塗装の場合は、刷毛塗り、エアレススプレー、エアースプレー塗装が一般的であり奨励できる方法です。 各方法の特徴は以下の通りです。※ローラー刷毛を使用する場合は、発泡する恐れがありますので必す無泡ローラーを使用してください。
施工02
膜 厚
各塗料毎に設定された標準膜厚を目安に塗装を行ってください。表示している膜厚は下限膜厚でない事に注意してください。
- [薄膜の場合]
- 外観不良、防錆力の低下が危惧されます。
- [厚膜の場合]
- 外観不良、耐熱性の低下が危惧されます。
塗装間隔
塗り重ねの場合は塗装間隔を守ってください。半長曝、長曝タイプで塗装間隔が長い場合はパワーツール、ウエスによる付着物(塩分、油分等)の除去を行ってください。
乾燥・焼付
常温硬化タイプの塗膜は3日以上の養生期間を設けてください。焼付を行う場合の温度・時間は被塗物の温度・時間を示しています。 ※焼付には被塗物温が上昇する時間も考慮する必要があります。
- [加熱初期]
- 耐熱塗料は初期加熱の際、塗膜中の残留溶剤や塗膜硬化時の反応ガスによりフクレが発生する場合がありますので、初期加熱は極力200℃/ h 以下に抑えてください。